先週、祖母が逝去しました。
前々日までは普通に軽自動車を乗り回し、まだまだ元気だったので突然の事でした。
そのため急遽の帰省で田舎の駅で時間を潰すために、本屋で読んでみたかったDIE WITH ZEROを立ち読みしました。
なんとなくは内容知っていましたが、改めて考えさせられる良いものだったので今回取り上げてみようと思います。
漫然と働きお金を貯める毎日。
「老後資金が不安だから」
「子供の養育費のために」
これって正しいのでしょうか?ここに切り込んだのが、このDIE WITH ZEROです。
直訳すれば「ゼロで死ね」ということで、なかなかのインパクトですね。
アメリカでは資産が70歳で最大になるという報告もあるようです。
ですが、それは果たして幸せなのでしょうか?
70歳でお金を持っていても、20代や30代の頃のような経験は絶対にすることが出来ません。
若い頃の経験とは何者にも替え難いものであり、買ってでもしなさいと日本の諺にもあります。
この本でのサブタイトルは以下の通りです
「今しかできないことにお金をつかう」
若い頃に行った経験は、その先の将来設計に大きな影響を与えてくれる。
お金が溜まってからいこう、と思ったころにはそこへの熱意がなくなっている。
スキューバダイビングやスキーや世界一周旅行、バッグパッカーなど、20代のうちならまだトライ出来ますが、60-70代になると厳しいことが多いでしょう。
若い頃は時間があって金がなく、年をとると金があって時間がないと言いますが、実際は時間が出来る頃には今度は活力が無くなっています。
結局は「今しか」ないんですね。
「お金の価値は加齢とともに下がる」
年を取ると旅行に行くのも、映画をみるのもなかなか進まなくなる。
いろいろ経験したいという前向きな気持ちは今だけ。
「人生とは経験の合計である」
著者の父が病気になった際に、iPadで過去の経験を見せて思い出に浸っていたというのは感慨深いですね。
新たな経験を積むことが出来なくなる時には、過去の経験が喜びになるわけです。
若い頃の経験は何度も何度もその経験を糧にできます。
思えば今までの楽しい思い出や嫌な思い出も、全てが自分自身を作る大事な礎です。
これらの経験ができないことの方が恐ろしいですね。
常に経験値を積める機会があるなら、飛び込んでチャレンジしていくべきなのでしょう。
「私たちは死ぬまでお金を貯め続ける」
稼げるだけ稼ぐという価値観の人が多い。
そして貯めるだけ貯めるが、使いきれずに死んでいく。
つまりこの本でも言っているが、意識的に金を使うべき。
しかし、ただ使えば良いというのではなく、貴重な経験に絞って投資していくのが良い。
仮に仕事が好きだとしても、休みの時間はあるはず。その時間で貴重な経験を買っていくべき。
例えば仕事に集中するために家事代行サービスや移動にタクシーなどでも良いので、ケチらず使えばよい。
「寿命を予測する」
難しいのは、自分がいつ死ぬか分からない。
なので基本は90-100歳と長く生きると仮定しておく。そうすれば不足して困ることはない。
ネットツールで自分の寿命を推定することもできる。
これにより物事を先送りにしている時間がないことに気がつける。
死ぬという事実から目を逸らさない。
「健康は金より重い」
いくら金があろうとも、不健康なら何もできない。
失ってから初めて気がつく。逆に言えば健康さえあれば、金がなくとも楽しく生きることは可能。
そしてその治療のためにせっかく貯めてきた金を溶かすことになる。
したがって若い頃から運動や食事など、健康に投資しておくことが大事。
「人生最大の後悔」
看取りを専門にしている介護スタッフが、終末期にある人たちに聞くと「自分のやりたいように生きれば良かった」という後悔が多い。
仮に多少お金がかかったとしても、やりたいことは進んでやるべき。
周りを気にして自分の想いに忠実に生きていけないのは損。
また働きすぎを後悔する人は多い。一方で、子育てや家族との過ごした時間を後悔する人はいない。
やはり家族が一番大事なのだろう。
「45歳くらいから資産を取り崩し始める」
むしろある程度の貯蓄が出来たならば、稼ぎながらその資産を切り崩して減らしていかなければならない。
そうしないと資産が減っていかないから。
その年齢としては45-60歳くらいがおすすめと書かれている。
その後では結局使いきれなくなる。
使い方はジムでパーソナルトレーニングしたり、良いプロテインや食事をとったり、家事代行などで時間を買うのも良い。
さて、いかがでしたでしょうか。
かなり斬新な考え方で保守的な日本人には受け入れ難いかもしれませんね。
ただ書かれている内容は至極真っ当で、死ぬ時に大金を抱えていても仕方がないですよね。
自分も日々、経済面でも悩んで生活していますが、やはり家族に使うお金は妥協せずにいます。
仮に資産が目減りしようと、そこは惜しみなく投入することを心がけています。
やはり何も残さない空虚な人生って、虚しくて寂しいだけですから。
親族の死別を契機にまた家族会議を行い、死生観などを確認していこうと思います。
本日は全然医学に関係ない話でした。
たまには、こんな形もありですかね。ではでは。
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