大学院進学時に役立つ制度(失業保険etc)

医学日常

今回は趣向を変えて、「退職して大学院に進学する際に使える制度」についてまとめてみようと思います。
この記事を書こうと思った理由は……自分がミスをして給付を受け損ねた(と思った)からです。
悲しみをここで供養し、同じ失敗を誰も繰り返さないよう、備忘録として残しておきます。

ただ、正直けっこう煩雑で難しいです。
なお、ここで紹介する制度は、退職して東京大学SPH(公共健康医学専攻)へ進学した自分の場合であり、「社会人学生(働きながら通学する人)」の場合には適用されない点にご注意ください。

失業保険(失業手当)

これは最も基本的な給付制度です。
退職後にハローワークで手続きをすることで、条件を満たせば受給できます。

主な条件は、直近2年以内に12ヶ月以上の雇用保険加入期間があることです。
この証明のために、「雇用保険被保険者離職票(1・2)」を職場から受け取る必要があります。

自分のように、直前の勤務期間が短い場合は、前職以前の離職票も必要になります。
これが意外と忘れがちなので、退職時に前もって依頼しておくと安心です。

また、本人確認書類としてマイナンバーカードがあれば、写真付きなので一枚で済みます。
あとは振込先の銀行口座(通帳またはキャッシュカード)も必要です。

自己都合退職の場合、基本的には90日分の支給となります。
そのため急いで手続きしなくても退職後約9ヶ月以内に受給が開始できていれば、総額は変わりません。

これは「自己都合ならある程度準備していたでしょ?」という趣旨だと思います。
ちなみに、2025年4月からは給付制限期間が2ヶ月→1ヶ月に短縮される予定です。

支給額は収入によって異なりますが、30代での上限は日額7,845円
自己都合で90日分の支給なら、最大約70万円ほど受け取れる計算になります。

教育訓練給付金

これは……自分がミスって受け損ねた給付金です(泣)

大きく分けて以下の3種類があります:

  • 一般教育訓練給付金
  • 特定一般教育訓練給付金
  • 専門実践教育訓練給付金(←東大SPHはこれに該当)

注意点は、「対象になるかどうか」が非常にややこしいということ。
講座の認定は3年ごとに更新され、認定から外れることもあります。

少しでも可能性があるなら、とにかくハローワークに相談に行くのが大事です。

2025年4月時点では、東大SPHは専門実践教育訓練給付金の対象講座です。

給付内容としては、最低で教育訓練経費の50%(上限40万円/年)
追加要件を満たせば最大80%(上限56万円/年)まで支給されることもあります。

ここでいう「教育訓練経費」には、授業料だけでなく入学金・教材費・実習費なども含まれる可能性があります。

例えば、東大SPHの費用は
入学金:約28万円+授業料:約54万円(前後期)=合計約82万円+α

これに対して、50%なら約40万円の給付対象
…つまり自分は約40万円を失ったというわけですね。泣くしかない。

支給は半年ごとで、面談がそのタイミングだけなら、1回あたり20万円の振り込みがある感じです。

ちなみに、自分がダメだった理由は「初回面談が4月にズレ込んだ」こと。
3月まで沖縄で働いていたのですが、沖縄のハローワークで初回面談だけでも済ませておくべきだったようです。
東京で手続きしようと思っていたら、すでにタイムアウトでした。

・・・と思っていたのですが、元所属の病院から公務員扱いになるためどうやら適応外のようです。

結構、適応は厳しいみたいですね。

一周回って余計な手続きして徒労に終わるところだったので、ラッキーだったのかもしれません。

教育訓練支援給付金

これは、専門実践教育訓練を受ける人がさらに条件を満たせば受給できる制度です。

例えば年齢制限(原則45歳未満)などがありますが、給付内容としては
日額の失業手当の60%(かつ最大80%)を支給される制度です。

ただし、世帯収入全体で月8万円以下(年収96万円以下)といった厳しい条件があるため、実際に受け取れる人はかなり限られる印象です。
「生活に困窮している人を支援する」目的の制度といえるでしょう。

健康保険

少し上のものたちとは趣向がずれますが、、、

退職後、多くの方は社会保険を抜けて国民健康保険(国保)に加入します。

でも実は、「社会保険の任意継続」という選択肢があります。

これも通常の社会保険と比べて自己負担が重くなるのですが、場合によっては国保より負担が軽くなることもあります。

適応としては退職までに継続して2か月以上の被保険者期間があることと、比較的ハードルは低そうです。

ただし期間は2年間と制約はありますが。

実際に自分は国保に切り替えるよりも、任意継続のほうが圧倒的に安く済みました。
ぜひ比較検討してみるとよいと思います。


ご参考になればうれしいです!
「手続きさえすれば受け取れたのに…」という後悔、ほんと痛いほどわかります。

まとめるとこんな感じになります。

この情報が、これから進学される方の助けになりますように!

本日はこの辺で、ではでは!

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