緩和ケア研修会を受講して

勉強関係

今回は先日受講した「緩和ケア研修会」について感想を話していこうと思います。

緩和ケア研修会は厚生労働省が主導する勉強会です。

緩和ケア研修会e-learning

以下は公式サイトより。

本サイトは「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針(平成29年12月1日付け健発1201第2号厚生労働省健康局長通知)」に則り実施される緩和ケアの知識を習得するためのオンライン学習サイトです。がん等の診療に携わる全ての医師・歯科医師、またこれらの医師・歯科医師と協働し、緩和ケアに従事するその他の医療従事者を対象としています。

平成30年度以降の緩和ケア研修会は、「e-learning」と「集合研修1)」で構成され、双方の修了をもって、緩和ケア研修会修了となります。緩和ケア研修会を受講される方は、こちらのe-learningを修了の上、2年以内にがん診療連携拠点病院等で開催されている「集合研修」を受講してください。

こちらを受講するメリットは

①診療報酬加算で上乗せされる可能性がある

つまり病院収益を増やせるので、就活で有利になりますね。

もちろん癌診療に携わるかどうかによりますが。

②管理職で求められる

いざ管理職になるときに持っていないと面倒です。

その年次で受講するのは、いよいよ浮きますし辛いですからね。。。

ということで、今回受講してきたわけです。

もちろん既に若手ばかりで浮き気味ではありましたが。

自分は比較的、急性期の緩和ケアや意思決定プロセスに興味があるので、概ね知っている内容ばかりでした。

よければこちらの記事を参考にどうぞ↓↓

ただ薬のことやコメディカルの方から聞かされる話は面白かったので、学び自体はありました。

備忘録も兼ねて記載しておきます。

①訪問診療について

外来通院が出来なくなった状態が適応になります。

ただし泌尿器や眼科など特殊なケアが必要なものは別途受診することになります。

特に昨今では訪問診療で輸血や抗がん剤(ホルモン治療を含む)を行うこともありますが、これは良し悪しなようです。

というのも、結局は訪問診療になるということはADLは落ちているわけなので、長期的な生命予後が無い方に対してそこまで医療資源を注ぎ込んで良いのかという問題になります。

確かにこれを是としては、確実に日本の医療保険は崩壊しそうです。。。

また訪問診療が入っていながらも急性期病院に救急車で運ばれてしまい、本人も家族も不幸になるケースを経験します。

これも意外と急性期病院から訪問診療へ繋ぐ時に「困ったらまた来てくださいね」のような声掛けが誤解を生んでいる節もある?とか無いとか。

まあ、これは主には訪問診療の管轄な気はしますが、急性期病院側もきちんと患者や家族に長期的な意図を伝えることは大事ですね。

なお訪問診療の先生が言っていたので重みがありますが、「訪問診療やってる医者もピンキリ」だそうです。。。笑

そりゃそうですけど、笑ってしまいました。

②急に終末期と判明した場合について

元気だったのに突然、〇〇癌のstageⅣで余命数ヶ月と言われることもなくはありません。

この場合にはどのような社会サービスが利用できるのでしょうか。

まず訪問診療や訪問看護は医療保険の管轄になるので、末期癌患者という区分であれば割と制限なく利用可能なようです。

一方で福祉については介護保険を申請する必要があります。

数ヶ月後には死亡するとしても、現状で歩けてしまえると申請しても要介護1-2程度しか受けられないようです。

ただ一旦出しておいて受理される前から見切りで利用することは可能なようなので、とりあえず出すことが大事ですね。

③「家に帰るため」にできること

上に関連しますが、なんとか自宅に帰るために考えることは何があるかを挙げていきます。

・介護者の調整

家族の介護休暇、介護保険申請をしてスタッフを入れる

・自宅の環境調整

寝室を1階に変える、電動ベッドやマット、歩行器のレンタル、退院前の試験外泊も

・有事の備え

事前に緩和ケア病棟の面談、緊急時の入院対応できるところの確認

いざ自分の家族に何かあったときにも参考になる内容でした。

④細かな担癌患者診療の疑問

・腫瘍熱か迷ったら?

→熱の割に元気で臓器特異的症状がないのが特徴。ナイキサンテストも良いかも(ナイキサン投与してスッと熱が下がると腫瘍熱らしい)。

・骨メタみたら?

→疼痛あるならすぐに放射線、とにかく良い適応。

・家族には言わないで!と言われたら?

→理由次第。遺産狙いとかなら仕方ない。そうでなければ「医師としてこれを本人さんとだけで抱え込むのは辛い。家族ともシェアして、一緒に乗り越えよう。」と背中を押して家族を巻き込んで良い。ここはグリーフケアの意図もあるので。子供達についても同様で、残される彼らも基本は知りたいはずなので状況次第だが巻き込むことを考える。

さて、いかがだったでしょうか。

受けた感想としては、学びはありましたし、意外と勉強した後だったので大事なところのみをプロの先生たちに質問できたので面白かったです。

若いときに受けていたら、なんとなくで終わってしまっていたと思いますので。

大事な講習会は意外と先延ばしすることも悪くないのかも?しれませんね。

本日はこの辺で、ではでは。

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