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『正攻法ではないけれど必ず書き上げられる はじめてのケースレポート論文』を読んで | Dr.Azukii's Blog

『正攻法ではないけれど必ず書き上げられる はじめてのケースレポート論文』を読んで

勉強関係

さて今回は書籍の紹介です。

正攻法ではないけれど必ず書き上げられる はじめてのケースレポート論文

やる気があれば必ず書ける! とにかくこの本を読んでみてください!

論文執筆の経験がなくても,英語が得意でなくても,やる気があれば必ずケースレポート論文は書き上げられる.著者自らの経験をベースに,テーマ選びから,書き方のコツやポイント,翻訳の方法や選ぶべきツール,投稿する海外ジャーナルの選び方などなど,はじめてケースレポート論文を書き上げるためのノウハウ,を惜しげもなく教えてくれる一冊.

佐藤佳澄 著

という事で、Chapterごとの読んだ感想を示していきます。

Chapter 01 Case reportのすごい効能

確かに「闇雲でも書くことから始める」っていうのは、よく聞くフレーズですが体現している人ってなかなかいないですね。

「犬の道(低質な仕事を一心不乱に行う行為)」なんて表現を使っていましたが、それでも行うことに意義があり簡単には真似できないことだと感じます。



Chapter 02 実は日本語よりも英語が簡単
 

ここで一番響いたのは、「国内の学会発表は時間がもったいない」という内容です。

確かにだいたい半強制的に学会発表ってやらされます。

正直あんまり興味をもてない内容で無理やり発表、終わった終わったーで夜は飲みに行ってそれっきり。

・・・これで何が生まれるのでしょうか?

きちんと学術的な行動をするならば意味がなければいけません。

ここでは学会発表はフロー型の業績、case reportはストック型の業績と表現しており言い得て妙だなと感じました。

自分もストック型の業績としてブログを続けていますが、同じですね。

せっかく世の中に発表するならば学会発表どまりではなく、きちんと論文化して誰もが見られるようにする必要があります。

そのためにも英語で論文化することって、本当に大事ですね。

一回書いてしまえば、あとは永遠に業績として残り続けるわけですし。
あとは不正なオーサーシップに気を付けるとかも大事な話ですね!


Chapter 03 「書きたい」を「書ける」メンタリティ

ここでのメッセージはシンプルで「手をつけたなら、どんな形でも周年で発表にこぎつけるという気持ちが必要」ということでした。

日頃から学術活動のネタは転がっていますが、それを形にしようと決心することが大事ですね。


Chapter 04 最大の要所はLearning pointの設定

書く目的について「アピール」したくなるのが素人の感覚ですが、本著では「未来の読者へ向けた手紙」という表現をしています。

そのような謙虚な姿勢が大事ですし、適切な投稿先に繋がりますね。

良いところに出すのも大事ですが、ニーズのある雑誌を選定出来るようになるのが一人前なんですかね。

テーマ設定はその意味でも極めて重要ですが、「新しさ」と「教育的意義」の二点を重視するよう強調しています。

なので必ずしも上手くいった症例でなく、失敗した症例も十分テーマになるわけですね。

特に日本人って失敗を曝け出すの苦手(病院が守ってくれないと、場合によっては危ない)なこともありますが、失敗から学ぶことって凄い多いです。

良く聞く「救命に成功した一例」とかばっかじゃなく、失敗したタイトルだと目を惹きますよね。



Chapter 05 周囲との付き合い方

このChapterもかなり考えさせられました。

特に師匠は2人もいらないというフレーズですね。

大体、部門の上級医たちに見せると、色んな人が色んなことを言ってきます。

もちろん自分も聞かれた時に、思ったことを適当に答えてしまいがちです。

特に立場が下の人間に対するアドバイスになりがちなので、好き放題言ってしまいますね。

良かれと思って声かけているつもりでも、見当違いだったり余計なお世話だったりすることってあります。

自分も年次が上がって、上級医からのコメントは取捨選択すべきなんだなあって当たり前のことにようやく気がつき始めました。

もちろん施設のレベルや環境にもよると思いますが、どんなに優れた人でも複数の師匠を持つと苦労するのだろうなとは思います。

なので本当の修正は1人にお願いして、あとはご意見番程度の感覚で接すると良さそうです。

Autherの順番も大抵first autherは若手になりますが、その後の順番もつらつらと部門の人間を並べている文献も散見されますね。

そうではなく本当に関わってくれた人だけを挙げるのは、当たり前ですが大事なことですね。

それをGift authershipと呼び、不適切な業績をプレゼントすることになってしまいます。



Chapter 06 Case reportは単純なパズル!

Case reportは論文で、型があります。

おおよその型は決まっているので、その構造に沿って書くことが大事ですね。

Chapter 07 文献検索

文献検索のコツがまとまっています。

大事なことはまず「大きな情報」から集めていくことです。

それは大きな研究やレビュー論文などを探す作業ですね。

そして似たようなcase reportを読んでいく作業が「小さな情報」を集める作業です。

意外と英語論文をたくさん読むと思うと辛いですが、全体像を見据えていると頑張れそうですね。

Chapter 08 実際に書いていく

この書く時の型をいかにスムーズに反復できるかにかかっているのだろうな、と感じました。

大事なのは「独創性」ではなく、「論理的」な構成です。

確かに自分が読む時も周りくどいものより、淡々と書かれている方が読みやすいですね。

つまるところ、余計なことは書かない(本文ではLearning pointに関係ないものは乗車させないと表現されていました)ことが大事になります。

Chapter 09 投稿先


投稿先は価格も大事ですが、モラルも重要ですね。

法外なお金を請求せず、きちんと適切な査読が入っているのが理想でしょう。

高額な出版料(Article Processing Change:APC)を請求するくせに、ろくな査読がないハゲタカジャーナルには本当に気をつけたいものですね。

探し方の方法としてDirectory of Open Access Journals(DOAJ)( https://doaj.org/)が良いと言うことを知りました。

これはオープンアクセスのジャーナルをリストアップしているデータベースで、ここにあるものは一定の水準をクリアしているため比較的信用に値します。

今後、自分が投稿する時にはここでチェックしてからにしようと思います。

Chapter 10 準備をしよう

ここで知らなかったのは、校正に出す時に引用文献を削ると文字が減るので安くなるということです。

確かに体裁とか含めれば見てもらうべきでしょうが、慣れてきたら削りどころになりますね。

あとは無くて涙を飲む同意書問題です。

できれば入院中に可能性の時点で良いので、先に同意書を取っておきましょう。

自分も退院後の初回外来にお邪魔したことありましたが、結構苦労して後悔しました。

Chapter 11 Case reportもDX(Digital Transformation)で

AIは素晴らしいのは間違いありません。

最近は恐ろしいことにAIが書いた記事のみのジャーナルも出ていますね。

今後、どんどん時代はAIに置き換わっていくことでしょう。

過度に依存せず、こまめに手助けしてもらうのが良さそうです。

やりがちなのが、まず日本語で書いてから翻訳という作業ですが、著者はいきなり英語で作ることを推奨しています。

確かに慣れてくれば確実に二度手間なので非効率ですね。

ここは自分にはまだどちらがメリット大きいのか微妙なラインに感じます。

Chapter 12 書き終わったらやること

書く上でのコツは1文を短くすることに尽きるようです。

またカバーレターというものを恥ずかしながら初めて知りました。

今まで1人で書いたことが無かったので、今後の参考にしていこうと思います。

Chapter 13 査読(リバイズ)を乗り越える


リバイスに対しての対応も、どれも素晴らしいものでした。

努力して作ったものを否定されると感情的になりがちですが、著者のような心構えでいることが大事ですね。

Chapter 14 アクセプトのその先

月並みですが、case report書きたくなりました。

実際は手元にネタを抱えているので、「早く書きなさい!」って話ではあるのですが笑

ということで、久しぶりの書籍紹介でした。

case reportを書きたい!書かなければ!という気分にさせてくれる一冊です。

著者が強調している通り読みやすく、最近本を読めてなかった自分も久しぶりに通読できました(それで良いのか・・・)。

では、本日はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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