ICLSコース

勉強関係

今日は過去に自分が受けてきた講習について話していこうと思います。

今回はICLS(Immediate Cardiac Life Support)についてです。

ICLSコースは日本救急医学会が行う蘇生トレーニングコースになります。

以下は学会の公式HPからの引用です。


☆ICLSコースとは

医療従事者のための蘇生トレーニングコースです。緊急性の高い病態のうち、特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得することを目標としています。講義はほとんど行わず、実技実習を中心としたコースです。受講者は少人数のグループに分かれて実際に即したシミュレーション実習を繰り返し、約1日をかけて蘇生のために必要な技術や蘇生現場でのチーム医療を身につけます。

日本救急医学会では、一定の基準を満たしたコースに対して「コース認定」を行っています。コースの指導者を養成するためのワークショップ開催や、指導者の学会認定も行っています。

☆ICLSコースの名称について

「ICLS」とは「Immediate Cardiac Life Support」の頭文字を取った略語です。突然の心停止に出会った時にどのように対処すべきか、というコースの学習目標を端的に示しています。

心停止はどの医療機関のどの部署においても起こりうるもので、いったん発生すれば蘇生を開始するまで少しの猶予もありません。まさに「Immediate(すぐに、間髪をおかない)」な処置が必要となるのです。心停止直後の処置には、あらゆる医療者がチームの一員として参加し、蘇生を行うことが求められています。

ICLSコースでは、あらゆる医療者が身につけておくべき、蘇生の基本的事項を習得できるようにしています。

☆ICLSコースの内容

【コースの一般目標】

・突然の心停止に対して最初の10分間の適切なチーム蘇生を習得する

【コースの行動目標】

・蘇生を始める必要性を判断でき、行動に移すことができる

・BLS(一次救命処置)に習熟する

・AED(自動体外式除細動器)を安全に操作できる

・心停止時の4つの心電図波形を評価・判断できる

・電気ショックの適応を判断できる

・電気ショックを安全かつ確実に行うことができる

・状況と自分の技能に応じた気道管理法を選択し実施できる

・気道が確実に確保できているかどうかを判断できる

・状況に応じて適切な薬剤を適切な方法で投与できる

・治療可能な心停止の原因を知り、原因検索を行うことができる

☆ICLSコースの対象

あらゆる医療従事者が対象になります。これまで、医師、看護師、救急救命士だけではなく、歯科医師、臨床検査技師、医学部学生など様々な医療従事者が受講しています。

一般の方は、BLS(一次救命処置)の講習会をぜひ受講し、心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)やAED(自動体外式除細動器)の使用方法を身につけて下さい。BLS(一次救命処置)の講習会については、お近くの消防署、日本赤十字社、救急指定病院等にお問い合わせ下さい。


自分自身が受講したのは医者1年目の秋で、初期研修医仲間とワイワイ受講して楽しかった記憶があります。

その後に救急科の後期研修医となり、プロバイダー(受講した人のこと)からインストラクター(指導する人のこと)に立場が変わっていきました。

元々はアメリカのコースで有名なBLS/ACLSをまとめて日本版にしたイメージです。

講義は少なめにして、とにかく手を動かして参加型、シミュレーション多め!って感じの少し実践的なコースです。

若手の医師が受講するにはとてもオススメのコースになります。

理由としては専門医などを取得するに際して、大抵これらの蘇生対応コースの受講資格って必要になるんですが、なんとAHAがやっているBLSやACLSって2年でプロバイダー資格が失効しちゃうんですよね。。。正直、酷いです。

一方でICLSは永年資格になるので、何かの時に持っておくと便利なのは圧倒的にこちらです。

内容自体も基本的なBLSに始まり、ACLSに即した内容もコースに応じて適切な難易度で受講することができます。

安全な除細動や波形に応じての原因検索、主担当チームが来た際の報告方法についてなど学びになることは多いです。

ただICLSには問題点もあります。

それはコースによって質が大きく異なることです。

もちろん多少の格差は仕方ないことなんですが、コースディレクターや集まる職種によってなのかかなーり幅があるのが正直なところです。

医師中心の場合には医学的に誤ったことは少ないのですが、医師が各ブースに1人いるかいないか、というコースではシンプルに間違った内容がレクチャーされていることもあります。

自分も以前に外様の立場で参加させて頂いたら、びっくりするくらい内容がカオスで正直驚きました。

コメントしようにも長らくそこで指導されている看護師さんたちが自信満々で話されていて、自分は少し煙たがられているのを感じたので何も言わずに帰ってきました。。。

あまりこう言う表現は好きではないですが、医者が受けるなら医者中心のインストラクターの方が安心して学ぶことが出来ると思います。

もちろん優秀な看護師さんもいますが、やはり視点も違うし自分なら受講したくないな、と感じてしまう内容でした。

逆に言えば自分が指導する際には、医学的に正しいことは当然として、コメディカルに負荷をかけないよう進めていく必要がありますね。

長く付き合っていくことになるコースですので、より質の高いものにできるよう努力していこうと思います。

本日はこの辺りで、ではでは。

参考までに公式テキストブックもあげておきます。興味ある方は是非どうぞ!

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