【2025年版】初期研修医向けお薦め書籍10選

勉強関係

今回は初期研修医の先生に向けて、お薦めできる書籍を紹介しようと思います。

自分の初期研修病院がERが盛んで小児科以外は全科対応だった事から、少し広めの選択になっています。

ご自身に必要なものを取捨選択して頂ければと思います。

ねじ子のヒミツ手技シリーズ

成書、というのは少し憚られるくらいユルい一冊です。

ただ初めての手技で全くイメージがつかない!って時にこれを見て、本当に助けられた記憶があります。

慣れてくると不要になりますが、腰椎穿刺や腹水穿刺、中心静脈穿刺などを初めて行う前には一度目を通しておくと良いと思います。

あてて見るだけ! 劇的! 救急エコー塾ABCDの評価から骨折、軟部組織まで、ちょこっとあてるだけで役立つ手技のコツ

昨今のエコーブームはとどまる所を知りません。

むしろこれからどんどん重要性は増していく事でしょう。

そんな中で初学者に一冊と言われれば、迷わずこれをお勧めします。

これだけで簡単な心エコーはできるようになります。

テクニカルなエコーも描出は無理ですが「エコーの可能性」を伝えてくれる本でした。

医師一年目の6月に読みましたが、初学者なりにどんどん当ててみようと思ったことをよく覚えています。

今でも若手に勧められる名著です。

救急外来 ただいま診断中!

診断中!シリーズの先駆けと言える一冊ですね。

初版が出たのは自分が初期研修医の頃でしたが、最近第2版が出版され根強い人気を感じます。

それだけの人気がある理由のある一冊です。

有名どころの疾患に対して過不足なく、かつ見やすく情報を散りばめている点が他の書籍とは比較になりません。

こちらもER業務をするのであれば、読んでおいて絶対に損は無い一冊でしょう。

自分も医師二年目の春には繰り返し精読していたのが懐かしいです。

考えるER-SAMURAIプラクティス

こちらも同じくER診療を行う上で非常に良い一冊ですが、やや難し目です。

細かいClinical Prediction Rule(ADROPとかです)の意義や、臨床推論についても扱っています。

初期研修医のうちに通読は難しいと思いますが、必ず身になる内容なので呼んでおく事をお勧めします。

使い方としてはまずは辞書的に開き、気になった疾患の章だけ読むで良いと思います。

自分も全てを通読したのは医師三年目の前半だった記憶があります。

ただ検査前確率を意識することを始め、臨床推論とは何かを考える上で今でも生きる知識をくれた大事な名著です。

ブラッシュアップ急性腹症

腹痛をみると、「とりあえず採血とCT?」から脱却させてくれる名著です。

メジャーな疾患の典型的な経過、およびその生理学的な機序をコンパクトに一冊にまとめてくれています。

自分の虫垂炎の知識はほぼこの一冊といっても過言ではありません。

他にも消化管穿孔や腸閉塞、ヘルニアなど有名どころの疾患の、おそらく多くの人が言語化できていない所をクリアカットに表現してくれています。

腹痛に困った経験のある人、必読の一冊です。

結局現場でどうする? Dr.増井の神経救急セミナー

頻回に訪れるめまいや脳梗塞を、よく分からぬままにCT撮ってMRI撮って、やっぱりよく分からなくて指導医の言うがままに帰宅。。。って経験はありませんか?

初期研修医の頃には分かっていませんでしたが、その後にこの一冊に出会い自分の学んだことをここまでシンプルにまとめてくれていて感激しました。

そもそも非専門医でこの内容を分かっている人、相当少ないと思います。

残念ですが救急医でも一部でしょうし、まして救急医が不在の施設であれば夜勤帯でこの知識がある医者は皆無です。

ぜひ自分の身を守るためにも、この一冊で学んで頂けると良いと思います。

輸液を学ぶ人のために

手にとって不安になる一冊です。

自分も勧められてネットで購入したのですが、あまりに古めかしく驚きました。

書いてある文調も明らかに古いし、、、これは見誤ったか?と思いました。

ですが読み終えてみるとびっくりするほど輸液の知識が体系化され、感動を覚えました

いわゆる「初めての輸液」みたいな本って乱立していると思うのですが、これこそ正真正銘のその立場の一冊です。

数時間で読めてしまうにも関わらず、とても満足度の高い一冊ですので是非ご検討ください。

大々的にリメイクしたら相当売れると思うのですが、、、不思議です。

骨折ハンター レントゲン×非整形外科医

こちらは骨折に出会う可能性がある医師は全員持つべきです。

昨今では働き方改革のおかげもあり、簡単に整形外科医にコンサルトすることも出来なくなってきています。

そんな時に「死なないから帰宅」にしてしまうので良いのかを考えさせてくれる書籍です。

きちんと初期対応することで機能予後を変え、ひいては人生を変えます。

正しい診断、正しい治療(固定や整復)がこの本に詰まっています。

初期研修医としてはこれだけで十分と言える一冊です。

絶対わかる 抗菌薬はじめの一歩

こちらはERではなく落ち着いた自分の時間にゆっくり読む書籍です。

抗菌薬に関しても色々な書籍がありますが、こちらがシンプルによくまとまっていて読みやすくお勧めです。

他の感染症書籍はやたら難しいものとやたら内容が薄いものに二極化している印象です。

その点こちらはバランスが良く、大きさもちょうど良かったので愛用していました。

勉強会で裏表紙にサインを頂いたこともあり、特に大事にしていたという裏話もありますが。。。笑

それ抜きでも本当にお勧めできる一冊です。

話すことあり、聞くことあり—研修医当直御法度外伝

最後に番外編として、心の支えとなる一冊をご紹介します。

救急のレジェンド寺澤先生による「良い話」が詰まった本で、赤本・青本といった他のシリーズも名著ですが、ここではあえて「黄色本」を紹介します。

初期研修医は出来ないことばかりで、新社会人の荒波に揉まれ相当のストレスがかかります。

自分の進路などに迷ってしまうこともありますが、この一冊を読み「医師になって良かった」と思わされました。

この本で自分も「どうあっても人間味のある医師であろう」と思い、理不尽な仕打ちも受けましたが同期に支えられながら乗り越えてきました。

疲れた夜や、当直明けに寝転がって読むと、不思議と元気をもらえます。

きっと明日への活力になると思います。


さていかがだったでしょうか。

どれも名著ばかりですので、是非皆様の学習のサポートになれば幸いです。

そしてこれらの名著はやはりどれも改訂されてますね。

改訂版が出ているということは長く読まれている証拠の一つとも言えますし妥当でしょう。

購入される際には最新の版であるかにご注意くださいね。

次回は救急科後期研修医向けというテーマで書いてみようかと思います。

どうぞお楽しみに!

本日はこの辺で、ではでは。

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