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日本版敗血症診療ガイドライン2024を読んで②敗血症の診断と感染源のコントロール | Dr.Azukii's Blog

日本版敗血症診療ガイドライン2024を読んで②敗血症の診断と感染源のコントロール

まとめ

続いてはCQ1.敗血症の診断と感染源のコントロールについてコメントしていこうと思います。

ほとんどが広く知られている内容なので、違和感は少ないかと思います。

全部ではなく気になったところのみコメント書いていきます。

CQ1-1:敗血症の定義

2016年に発表されたSepsis-3に準じると言うことで、新しいことはありません。

簡単に振り返っておくと、当初は敗血症とは感染症によるSIRSと定義されました(Sepsis-1)。

しかしこれでは熱があるだけで全身状態の良いインフルエンザの人が、走っただけで敗血症認定されてしまいます。

SIRSは感度が良いのですが、あまりに特異度が低いことが問題視されました。

そこで作られたのが2003年に生まれたSepsis-2です。

しかしこちらは24項目にも及ぶ、とてつもない基準で全く現場に即していませんでした。

以前の勉強会で「Sepsis-2を使った臨床試験みたことない」と言われましたが、確かにほとんど無いですよね。

本当になぜ作ったのか分からないレベルのものです。

この辺りから本質的には臓器障害を伴うことと認識されるようになり、Sepsis-3において「感染症に対する生体反応が調節不能な状態となり、重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義され、SOFAスコアを用いた基準となりました。

具体的には次項で見ていきましょう。

CQ1-2:敗血症の診断と重症度分類

現在の敗血症と敗血症性ショックの定義です。

敗血症:①感染症もしくは感染症の疑いがあり、かつ②SOFAスコアの合計2点以上の急上昇をもって診断する。

敗血症性ショック:敗血症の診断基準に加え、平均動脈圧65mmHg以上を維持するために輸液療法に加えて血管収縮薬を必要とし、かつ血中乳酸値2mmol/Lを超える場合に診断する。

過去と比べると相当に簡便にはなっていますね。

ただSOFA scoreの2点以上の急上昇って正直難しいです。

自分は実臨床では「臓器障害」と置き換えています。

それはSOFAスコアも古いもので、必ずしも現代医療の臓器障害を反映しないからです。

参考記事:SOFAスコアの未来について・・・本当にまだ使えるの?

敗血症性ショックの基準も非常に明快になりました。

これに蘇生の内容も含まれているので、蘇生が早くなったのかなと想像します。

CQ1-3:一般病棟、ERで敗血症を早期発見する方法は?

ここではqSOFAや早期警告スコア(NEWS)を使ったスクリーニング法があるとされています。

その通りなのですが、でしたら前回に記載した通りバンドルにqSOFAの要素を残すべきではなかったかなあと感じてしまいますね。

NEWSは実際に機能している複数の病院で働きましたが、とても良いツールだと思います。

ただしあくまできちんとした集中治療部が無いと、全く機能しないのでそこは使い手を選ぶのかなあとも感じました。

今後、きちんと医者が集められない施設では導入するメリットが少ないかもしれません。

残酷ですが、今後は集約化というより選別が始まっていくのでしょうね。

CQ1-5:敗血症診断のバイオマーカー検査としてC反応性蛋白(CRP)、プロカルシトニン(PCT)、プレセプシン(P-SEP)、インターロイキン6(IL-6)の位置付けは?

これは答えが出ている内容をいつまで掘り下げるのですかね。

正直、無意味だと思います。

もちろん異常高値の敗血症に出会うこともありますが、その逆だってたくさん見ます。

むしろバイオマーカーに引っ張られて臨床やるほうがよっぽどセンスないです。

個人的にはCRPくらいは出しておいても良いと思います。

それはその後の治療経過指標になることも、あるからです。

ただそれ以外はあまりに高額で費用対効果に合わないと考えるので、むしろ悪だと思っています。

この辺の意義は早期の抗菌薬終了でしか無いはずですが、そこをきちんと実践している施設にはまだほとんど出会えていないのが実情です。。。

CQ1-7:敗血症を疑う患者に対して、感染源検索のために画像検査を行うか?

こちらは「感染源が明らかでない場合は、感染源検索のために疑われる疾患に応じて画像検査を行う」とありました。

まあ、当たり前ですね。

診療において病歴、理学所見ありきの臨床推論だとは思っていますが、やはり意識障害があったり本人からの聴取が難しいことも経験します。

その場合には他覚的な検査に救われることもあるし、逆に足元を掬われることもあります。

例えば画像撮ってみたら消化管穿孔あった!というパターンもあれば、画像で誤嚥性肺炎があったので診断できた!と思ったら実は髄膜炎だった、、、というパターンも。

必要な症例はあると思いますが、全例で片っ端から何も考えず画像は無いと思います。

少なくとも熱源の診察はできるはずなので、それらを一通り行うことは最低限必要でしょう。

このあたりの判断がきちんとできる医者となり、AIに負けないよう生き残っていきたいものです。

さて、いかがでしょうか。

ぜひご意見あれば教えてください。

本日はこの辺で、ではでは。

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