【ドラマ感想】大病院占拠を観て

医学日常

大病院占拠

第10話「大真相」あらすじ|大病院占拠
青鬼・耕一は、正義とは何かを国民に問う。耕一の過去と鬼たちの絆が明らかに。最期に暴かれる衝撃の真実とは・・・

↑公式HPです

直近の4話まで観ました

以下にネタバレも含みますので、まだの方はご注意ください!!

簡単なあらすじとしては新しい近未来型の大病院を占拠した鬼の仮面を被った集団が現れます

そこに立ち向かう敏腕刑事

しかし鬼たちは実は義賊??なのか、後ろ暗い医療者や政治家を籠城した病院の中から吊し上げ罪を明かしていく

鬼の中にはその被害者の関係者が多くいるような雰囲気

この先はこの刑事と鬼との関係など、面白そうではありますが、やはり医療者の目線でみるとツッコミたくなる描写はパラパラとありますね笑

特に第4回の脱走を試みて筋弛緩薬を鬼の足に打ち込んで逃げるシーンです

まず筋弛緩薬の製剤がおそらく架空のものでしたが、量はとんでもなかったですね笑

通常の体型なら5ml程度で十分効くので、あれが入ったなら即死です

その後、刺された足を少し引き摺りながら歩いてましたけど、絶対無理です笑

全身を巡ってしまうので、局所的に症状が出ることはありません

医療の現場では呼吸が苦しくて人工呼吸器を使う時に、気管挿管という手技があります

細いチューブを空気の通り道(気道)に入れる操作です

人間の口から気道までは曲がりくねっているので、そのままでは到底入れられません

なので筋弛緩をかけて体を緩めて、器具で口から気道を直線化してチューブを進めます

これは手術室では一般的に行われている処置です

他にも集中治療室ではいろいろな理由で使うことがありますね

投与してから効果が出るのは大体1分くらいで、全身が動かなくなり呼吸も出来なくなります

もし何もしなければ呼吸が出来ないので、死因になります

ちなみに意識はクリアなので、この死因はとてつもない苦痛だと思われます

イメージとしてはフグ毒のテトロドトキシンが作用機序は近いですね

自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒|厚生労働省
自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒について紹介しています。

こちらは厚労省のホームページからです

いくら命の危険があるからといっても、医療者が一般人(鬼だから分からないけども)に打ち込んではいけません笑

基本的に人に針突き刺しちゃダメですが、もし同じような状況で何か打ち込めと言われたらどうしましょう

自分ならケタミンとか選びますかね

ジャンルとしては鎮静薬になりますが、比較的呼吸を残したまま鎮静作用でトロンとするので死なせてしまうリスクはかなり下がります

ちなみに猟銃で動物を撃って山に返してますが、その時に使っている麻酔薬が同じ種類のものです

山に返すはずが呼吸止まって殺してしまってはマズイですからね

他にも血糖異常でのインスリン使用や心肺停止時の救急搬送の様子、感染症内科医の殺害時の針の折れ方などなどツッコミどころは満載でしたが、まあエンターテイメントですから笑ってみてました

内容としては何だか続きが気になるドラマで、なんとなく最後まで見てしまいそうな感じです

製作者の思うツボでしょうかね

さて今回はこんなところで

ではでは

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